「ターメリック」と「ウコン」という言葉をインド料理のお店やコンビニの棚で見かけたことありますよね。
「ターメリック」ならカレーに入れたり、「ウコン」なら二日酔い防止にお酒を飲む前に飲むなどのイメージがあると思います。
ターメリックとウコンは違いがあるのでしょうか?
まずはターメリックとウコンの特徴や使い方など、また体にとってどんな効能があるのかなどもみていきましょう。
さらに黄色いスパイスのサフランについても、あわせて紹介していきます。
どんなものなのか勉強してみようね
ターメリックとウコンの違いは?
実はこのターメリックとウコンは同じショウガ科のウコン属に属しています。
どちらも同じ植物なのです。
そこでウコンについてや、ウコンの仲間のひとつとしてターメリックについて使い方など詳しくみていきましょう!
ウコンとは
ウコンの種類は多く、50種以上あるそうです。
おもなものに「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」「黒ウコン」があります。
もともと東南アジアの植物で、暖かい地方で生育が可能なため日本では沖縄で栽培されることが多いようです。
ウコンの主な有効成分はクルミンと精油成分です。
ウコンは健康食品として注目されていますが、種類によってクルクミンや精油成分などの有効成分が含まれてる量によって効能に違いがあります。
クルクミン……ウコンの色素成分で黄色のポリフェノールといわれ、抗酸化作用や肝臓保護の作用がある
精油……植物が産出する油成分、胃にやさしく作用する
紫ウコン
ウコンの種類のひとつでショウガ科で原産地はヒマラヤです。
根茎を切ると紫かかった白なので、白ウコンとも呼ばれています。
紫ウコンはかなりの苦みがあり食用には向かないため薬用として使われているようです。
精油成分が多く胃を整えるのにも良いみたいです。
https://www.instagram.com/p/BfKtER5F_cx/?igshid=1x9sdjfkjjdh3黒ウコン
ウコンの種類のひとつでショウガ科、原産地はタイで根茎を切ると濃い紫色です。
黒生姜(しょうが)といわれている地方もあるそうです。
成分はアントシアニンが豊富で、アンチエイジングになる抗酸化作用が有効です。
※抗酸化作用(アンチエイジング)についてはターメリックのところで説明しますね。
https://www.instagram.com/p/BrZQug9gRK7/?igshid=ly0sq8qhmo5dターメリックとは
ターメリックとは秋ウコンのことをいい、たくさんあるウコンの種類のひとつです。
秋に白い花を咲かせるため秋ウコンといい、英語では「ターメリック」と呼ばれています。
ターメリックってどんなもの?
粉末状のものが売られていますが、これはウコンの根茎を乾燥させて粉末にしたものなのです。
カレーの色付けやターメリックライスなどは、すぐ頭に浮かぶかもしれませんね。
もともとは、東南アジアの人々が薬草として民間治療に使っていたもののようです。
ターメリックに含まれているクルクミンは健康食品としても注目が集まっているスパイスで、これまでに多くの研究がされています。
ターメリックの使い方
ターメリックは、黄色い色付けとして使われる粉末状のスパイスです。
味は少しほろ苦い感じです。
カレーを作るときのカレー粉のなかにもよく含まれるスパイスのひとつになりますね。
またターメリックライスとして洋食のごはんにしたり、スープにいれて使うこともできます。
精油成分があるため油との相性も良く、油と一緒に使うことできれいに色づけることもできるようです。
春ウコンとターメリック(秋ウコン)の違いは?
おもにウコンと呼ばれて食品として出回っているのは、春ウコンとターメリック(秋ウコン)になります。
春ウコンは、苦みが強いため健康食品として民間療法で使われることが多いようです。
ターメリックはクルクミンが春ウコンの10倍含まれていてクルクミンの効果が大きいといえるでしょう。
春ウコンと比べながら、ターメリックを知る手掛かりにしてくださいね。
春ウコン | ターメリック(秋ウコン) | |
花について(どちらもショウガ科) | 4~5月にピンクの花 | 7~8月に白い花 |
味 | 強い苦みと辛さ | 少々の土臭さと苦み |
適した使い方 | 健康食品(民間療法) | 香辛料(カレー・スープ・ターメリックライス) |
栄養 | クルクミン・精油成分 | クルクミンは春ウコンの10倍 |
ターメリックとウコンは体に良い効果がある?
春ウコンとターメリック(秋ウコン)にはそれぞれ違った特徴があることを説明してきましたが、体にとってどんな作用をするのでしょうか?
春ウコンとターメリック(秋ウコン)それぞれの体に良い効能について解説しますね。
春ウコンの効果について
春ウコンは、とっても苦くて辛い味がするため、食用には不向きなようです。
しかしミネラルや精油成分が豊富なため、動脈硬化予防やコレステロールの分解が期待され健康食品として注目されています。
※取り過ぎると便秘になったり肝機能に負担がかかることがあるため適量を守りましょう!
ターメリック(秋ウコン)の効果について
ターメリックが体に良いとされる効能には黄色い色素のクルクミンが豊富に含まれているからです。
粉末状になっているのは、料理に使いやすいようにというのもありますが、細かい粒のほうが体に吸収されやすいからのようです。
形にも意味があるのですね。
クルクミンの効果については研究が続いており、さらなる効果が期待されているようなので注目していきたいところです。
[box class=”box29″ title=”ターメリックの効能”]
- 二日酔い改善
- 抗酸化作用(アンチエイジング)
- 生活習慣病予防
- 抗炎症作用
二日酔いの予防に
コンビニなどに「ウコンの力」がおいてあり、お酒を飲む前に飲まなくちゃなんて思うことありますよね。
まさしくこれが、ターメリックのクルクミンの作用のひとつで、肝臓を刺激して消化を促す作用があるようです。
アルコールは肝臓で分解されるので、飲む前にウコンを取り入れることは納得できますね。
アンチエイジングに
クルクミンの作用の中に抗酸化作用があります。
抗酸化作用は老化の原因となる活性酸素を増やさない、つまり細胞を錆びさせない効果があるのです。
錆びない体を作ることは、若々しさを保てることになりますね。
また、新たな研究ではクルクミンが認知症予防にも効果があるとわかってきているようです。
生活習慣病予防に
クルクミンには、コレステロール値を下げたり血圧をおさえたりする、免疫機能を改善する働きがあります。
そのため、脳卒中や高血圧、糖尿病など予防にも効果があるようです。
皮膚の炎症作用に
クルクミンは抗炎症作用があることもわかってきています。
炎症を抑えるということで、皮膚がんに効果があるのではないかと研究が進んでいるようです。
インドでは、昔から化粧品としてターメリックを使っているようで、シミ・シワ・美白などに効果があるのではと注目されています。
ターメリックとサフランの使い分けは?
ターメリックは黄色い色付けをするスパイスですが、もうひとつ浮かぶのがパエリアなどに使われているサフランではないでしょうか。
同じ黄色の色付けができるスパイスのサフランですが、ターメリックの代用として使えるのでしょうか
サフランとは
そもそもサフランとはどんなものなのでしょうか。
サフランはアヤメ科の植物でクロッカスと同じ仲間です。
ターメリックは根茎なのに対してサフランは花の「めしべ」を利用します。
色は赤に近いオレンジですが、水につけて色出しをすると黄色くなるのです。
サフランの産地は地中海や南ヨーロッパといわれていて、ヨーロッパの国々ではパエリアやブイヤベースなど洋風の料理に使われています。
古くから血行改善やデトックス効果もある漢方薬としても使われていたみたいなので、そこはターメリックと似ているかもしれませんね。
ターメリックとは違うサフランの特徴
ターメリックとサフランは同じ黄色の色付けのスパイスですが、違う特徴があります。
サフランは値段が高い
まず第一に、サフランはとても高価なスパイスです。
ひとつの花から取れる「めしべ」の量はほんの少しで、1gのサフランには150本以上の花が必要だともいわれているようです。
また、めしべを取るのに手作業で行っているため手間もかかってしまい高くなってしまうようです。
サフランは「におい」が良い
さらに、香りについてはサフランは独特の質の良い「におい」がします。
ターメリックが根茎で少々土臭いとすると、もう少し爽やかな「におい」がします。
においを言葉で表すのは難しいですね。
ターメリックはカレーに、サフランはブイヤベースに使われることを考えると「におい」のイメージも湧いてくるかもしれません。
サフランはターメリックの代用ができる?
同じ黄色の色付けができるサフランは、ターメリックの代用ができるのでしょうか?
ターメリックとサフランの料理での違いをみてみましょう。
ターメリックで作れる料理
ターメリックは油溶性といって、水には溶けず油の中に入れて食材を炒めるときれいに色が出ます。
味や匂いはほとんどないので、カレーやターメリックライスの黄色の色付けは、ポピュラーですね。
また、意外なところで、たくあんや栗きんとんに粉末のターメリックを使うこともできます。
栗きんとんはクチナシを色付けに使いますが、クチナシも煮出すとウコンに似ている風味がするそうです。
ぜひ、試してくださいね。
https://www.instagram.com/p/Br90Zh7AXvP/?igshid=1ikiz4wz73iu9サフランで作りたい料理
サフランは水溶性なので、水にいれて10分くらい入れると色が出てきます。
料理に使う場合は、水に出してから煮たり炊いたりして使うことになります。
風味が豊かなサフランは、魚介類と一緒に煮込むと良い香りがさらに引き出せそうですね。
どんな時にターメリックで代用する?
使い勝手が違うので特徴にあわせて使うのが良いとは思います。
しかしサフランは高価なため、パエリアは安いターメリックを代用することはよくあるようです。
魚介料理など香りを楽しむには、サフランが良いかもしれません。
それぞれの特徴やお財布と相談して楽しんでみてください。
ターメリックとサフランの特徴を表にしてみたので、参考にしてくださいね。
ターメリック | サフラン | |
植物性 | ショウガ科ウコン属 | アヤメ科サフラン属 |
使われる所 | 根茎 | めしべ |
におい | 少々土臭い | 独特のにおい・ほし草のようなにおい |
値段 | かなり高価 | 安価 |
適した料理 | カレー・ターメリックライス | 魚介料理・パエリア |
まとめ
ターメリックとウコンについて私たちの生活の中で使われているウコンは、ほとんどターメリック(秋ウコン)のことだったといってもいいでしょう。
取りすぎには注意が必要ですが、ターメリックは抗酸化作用や抗炎症作用など、体に良い成分(クルクミン)の作用で健康食品として今後も注目されそうです。
サフランとは黄色い色付けのスパイスとして同じ作用もありますが、値段やにおいなどで使い分けをするといいですね。
それに、パエリアもターメリックで作れるんだね。
今度、挑戦してみたいな。
ときどきサフランのブイヤベースも作ろうね。