ホールとパウダーの2種類の使い方があるクローブは独特な香りを持つスパイスです。
器具を使い、ホールを砕くことでパウダーにすることもできます。
パウダーの使い方にカレーのスパイスが挙げられます。
クローブの強い香りがカレーの奥深い風味を引き出すでしょう。
クローブとは?
人類初世界一周の旅を成し遂げたマゼランが求めた調味料として有名な「クローブ」はフトモモ科の植物である、チョウジノキの花のつぼみを乾燥させた香辛料です。
日本ではその形が釘に似ていることから釘の字を使い、丁子や丁香と呼ばれています。
当時スパイスはとても貴重なものであったため、グローブを積みすぎて船が水没したという逸話があるほど重宝されていました。
保存方法としては、植物を乾燥させたスパイスを保存するため、直射日光や高温高湿を避けることが重要になります。
中外で温度差の激しい冷蔵庫などは保存場所としては適しません。
密閉容器に入れ、冷暗所に保存しておくことで香りや色を維持することができます。
クローブの効果効能は?
インドネシアのモルッカ諸島原産のクローブはその強く甘い香りだけでなく、消臭や抗菌、緩和な麻酔作用をもちます。
ほかにも胃腸の動きを活発にする整腸剤としての作用やインスリンの作用を高めることで血糖値を下げる作用、生理痛緩和、更年期障害、精神安定、動脈硬化予防などあらゆる効能が期待できるため、かつては薬として使われていたこともありました。
抗酸化作用が強いため、刀の錆予防やミイラ作成時の防腐剤として使用されたという説だけでなく、アンチエイジングとして三大美女である楊貴妃、小野小町、クレオパトラも使用していたとの説もあります。
現在でも漢方の成分に用いられることや匂い玉、口臭予防、歯痛治療に使用しているところもあります。
かつて、ヨーロッパでは「フルーツポマンダー」という室内香を作り、厄除けなどに使用していました。
フルーツポマンダーは果物にクローブを刺し、シナモンなどのスパイスを振りかけたあと1か月乾燥させるだけです。
クローブを刺した果物は防腐効果によりドライフルーツのような状態になります。
オイゲノールという害虫の嫌いな匂い成分を持つため、フルーツポマンダーをおいておくだけで害虫対策としても使用できます。
「ホール」と「パウダー」の違いは?
クローブにはパウダーとホールという2種類の状態があります。
ホールのまま使用する場合は、肉など食材に刺すことで使用し、調理後に取り除きます。
肉の臭みやスパイス臭さも消すことができます。
デザートとして焼きリンゴに刺して使用することもできます。
香りが強いので少量ずつ使用するのがよいでしょう。
クローブは、飲み物に入れることで風味付けをすることもできます。
インドの甘いミルクティーであるチャイを作るときに欠かせないのがクローブです。
シナモンやカーダモンなどのスパイスと一緒に火にかけ、色がしっかり出てきたら茶葉、牛乳、砂糖を加えて茶こしでこすとチャイが完成します。
スパイスがまじりあった深い味わいが楽しめるでしょう。
粉末のクローブは肉に塗り込むことやクッキーなど焼き菓子の材料として使用することができます。
バニラの匂いに近いため、バニラを使用する焼き菓子に使用すると香りを引き立てることができます。
クローブは、シナモンやナツメグと相性がよくブレンドして使用されることも多いです。
カレーに使用されるスパイスとして有名な「ガラムマサラ」にもグローブが配合されています。
ガラムマサラはヒンドゥー語で、辛い混合物という意味を持ちます。
使用方法により適したスパイスを配合しますが、10種類ものスパイスを配合することもあります。
グローブのパウダーを完成したカレーに振りかけるだけでも、味わいを深くするよいスパイスになるでしょう。
クローブ(ホール)の使い方・食べ方は?
クローブはホールの状態で食べることはありません。
パウダー使用の際にも匂いが強いため、少量の使用がよいでしょう。
多数の効能をもつクローブですが、目立った副作用は報告されていません。
適量を摂取することで、健康と美容に役立つ作用を持ちます。
グローブ(ホール)の砕き方は?
ホールを粉砕する場合は手間がかかりますが、粉砕直後の香りが一番強いとされています。
すり鉢やミルがあれば強い香りを残したまま使用することができます。
ミルとは片手サイズの粉砕機のことで、スパイスを粉砕する際にはスパイスミルと呼ばれます。
粉砕する荒さを決めることができるため、使用に適した状態で砕くことができます。
粉砕に使用するものでペッパーミル、ソルトミルなど呼び方が変わります。
比較的安価に購入することもでき、必要な量だけ調味料を挽くことができるため使い勝手の良いキッチン用品です。