味噌は、主原料となる大豆と塩に、どんな麹が加えられているかによって、その種類や栄養成分に違いがあります。
では、よく耳にする「麹味噌」と「田舎味噌」とは何なのでしょうか。
また、麹味噌と田舎味噌の栄養成分に違いはあるのか、さっそく調べました!
[say img=”https://min-to.net/wp-content/uploads/2018/09/20180908-111334.png” from=”right”]いろんな名前の味噌があって、色も違うけど、違いがわからないなぁ。[/ふきだし]
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味噌の種類って?麹が関係してるの?
麹とは?
私たちの食生活に欠かせない味噌は、主原料が大豆と塩です。
この大豆と塩に、何の麹が混ざっているかによって、味噌の種類が違います!
麹は、食品を発酵させる微生物の一つです。
米・麦・豆類を発酵させるコウジカビを繁殖させてできた麹を、大豆と塩に混ぜることで、それぞれ米味噌、麦味噌、豆味噌となります。
味噌づくりに使われている麹菌によって、タンパク質が分解され、うま味成分であるアミノ酸ができ、味噌のおいしさが生まれています。
味噌の種類分けって?
味噌の製品パッケージにある、原材料表示を見てみましょう。
日本農林規格(JAS)によって、製品には米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌と表示されています。
米味噌・麦味噌・豆味噌は、使われる麹の違いはありますが、1種類の麹を使っている単独麹の味噌です。
調合味噌は、2種類以上の異なる味噌(例:米味噌+麦味噌)を合わせたり、複数の麹を混合して醸造したりした味噌です。
出荷量の割合は、米味噌80%、麦味噌5%、豆味噌5%、調合味噌10%となっていますので、もっともポピュラーなのは米味噌だといえます。
味噌の色の違いは?
味噌を色でわけると、白味噌、淡色味噌、赤味噌に分けられます。
大豆を煮るか蒸すか、麹が多いか少ないか、発酵途中にかき混ぜるか否かなど、条件によって色が変わります。
味噌は、発酵・熟成期間に起こる化学反応「メイラード反応」により、赤色っぽくなります。
メイラード反応とは、アミノ酸が糖と反応し褐色に変化する反応のことです。
味噌は熟成期間などによって色が異なりますが、麹味噌と田舎味噌の違いは、色ではありません。
麹味噌と田舎味噌って何?それぞれの違いは?
麹味噌と田舎味噌の違いは?
麹から作られているから麹味噌、田舎で作られているから田舎味噌、ではありません。
麹味噌とは麦味噌と豆味噌を、田舎味噌とは麦味噌を指します。
麹味噌→麦味噌もしくは豆味噌を指す。
田舎味噌→麦味噌を指す。
特徴や栄養成分については、麹味噌と田舎味噌の違いというよりも、麦味噌と豆味噌の違いを調べた方がいいということになります。
麦味噌とは?特徴は?
麦味噌には、「原料:大豆、麦、塩」と表示されており、「麦」は麦麹を指します。
前述したように、田舎味噌とは麦味噌のことですし、麹味噌とよばれるもので麦麹を使われているものは麦味噌です。
九州地方でよく使われています。
大麦または裸麦を麹として用いた味噌で、米味噌や豆味噌よりも、風味が豊かで、あっさりした甘さがあります。
麦麹をたくさん使っていて発酵力が強く、熟成期間によって色と味に違いが出ます。
麦味噌 | 甘口・淡色味噌 | 辛口・赤味噌 |
特徴 | 麹の量が多い。色は薄く甘みが多い。 | 大麦を使う。麦麹の歩合が少ない。 |
食塩の割合 | 9~11% | 11~12% |
熟成期間 | 1~3か月 | 3~12か月 |
産地 | 九州・中国・四国 | 九州、埼玉、栃木 |
豆味噌とは?特徴は?
豆味噌の原材料表示は、「原料:大豆、塩」とされています。
大豆と塩に、豆麹を使ってつくられます。
麹味噌とよばれるもので、豆麹が使われているものは豆味噌になります。
大豆によるタンパク質が豊富で、タンパク質から分解されたグルタミン酸が旨みを出しています。
また、ペプチドという成分が、コクと味の深みを出しています。
このため、濃厚で辛口の味わいとなっています。
豆味噌 | 辛口・赤味噌 |
特徴 | 長時間熟成により、苦みと渋みがある。 |
食塩の割合 | 10~12% |
熟成期間 | 1~3年 |
産地 | 愛知、岐阜、三重 |
栄養成分の違いは?
主な栄養成分の比較
ポピュラーな米味噌と、麦味噌、豆味噌の栄養成分を比較してみます。
(可食部100gあたり) | 米味噌(辛口・淡色) | 麦味噌 | 豆味噌 |
タンパク質 | 12.5% | 9.7% | 17.2% |
脂質 | 6.0% | 4.3% | 10.5% |
炭水化物 | 21.9% | 30.0% | 14.5% |
灰分 | 14.2% | 12.0% | 12.9% |
水分 | 45.4% | 44.0% | 44.9% |
全体的に栄養価が高いのは豆味噌です。
100%大豆を使用しているので、他の味噌よりタンパク質も豊富です。
その他の栄養成分の比較
次に、その他の栄養成分を抜粋して比較してみましょう。
(可食部100gあたり) | 米味噌(辛口・淡色) | 麦味噌 | 豆味噌 |
ナトリウム | 4900mg | 4200mg | 4300mg |
カリウム | 380mg | 340mg | 930mg |
カルシウム | 100mg | 80mg | 150mg |
鉄 | 4.0mg | 3.0mg | 6.8mg |
ビタミンK | 11μg | 9μg | 19μg |
ビタミンB2 | 0.10mg | 0.10mg | 0.12mg |
葉酸 | 68μg | 35μg | 54μg |
食物繊維 | 4.9g | 6.3g | 6.5g |
豆味噌は、カリウムや鉄、ビタミンKが多いですね。
栄養素を全体的に見ても、豆味噌はビタミンやミネラルが豊富でした。
また、米味噌に比べ、麦味噌と豆味噌は食物繊維も多いです。
お料理に上手に取り入れることで、栄養摂取率をアップできそうですね。
麹味噌と田舎味噌の違いは?栄養成分など特徴を比較!まとめ
麹味噌には、麦味噌と豆味噌があること、田舎味噌は麦味噌を指していることがわかりました。
味噌は、使われている麹の種類、麹の量、熟成期間、色によって、味わいが変わってきます。
それぞれの栄養成分を知って、お料理に使っていくことで、健康づくりに生かすことができますね。
[say img=”https://min-to.net/wp-content/uploads/2018/09/20180908-111334.png” from=”right”]これからは、味噌の商品名よりも、原材料表示を見て購入してみよう♪[/ふきだし]
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