「生」と聞くと新鮮で美味しい、だけど賞味期限が短い印象をうけるのではないでしょうか。
醤油といえば賞味期限が長いのが特徴で保存にも適していますが、生醤油の場合はどうなの?その他に味の違いはあるの?
今回はそれぞれの特徴にも注目していきます。
生醤油と醤油の違いや特徴を知っておくと料理のときに役立ちますよ。
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そもそも「醤油」とは?
醤油は大豆、小麦、食塩を原料に麹菌を培養して発酵させた液体発酵食品として私たち日本人には馴染のある調味料ですよね。
醤油はJAS規格によって種類、製法、等級の3つの分野に分けられます。
更にそこから分類されるので、たくさんの種類があります。
醤油の種類
醤油は製法や原料の割合によって6種類に分けられます。
見た目、味、風味がそれぞれ違うので料理に合ったものを選ぶとよいですね。
白醤油 | 醤油の色が料理に影響しないので、お吸い物や茶わん蒸しなどに使われている。 |
淡口醤油 | 主に西日本で使われている。
塩分が高めなので塩やレモン代わりとして使われることも。 |
甘口醤油 | 九州や北陸地方で使われている。
地域によって甘さが異なるが、焼きおにぎりや卵かけご飯に良く合う。 |
濃口醤油 | 国内生産80%を占めており最も身近な醤油。
幅広い料理に使えるが、開封後は酸化して風味が劣化するので注意が必要。 |
再仕込醤油 | 熟成期間が長いため濃厚な旨味とコクが特徴。
ソース代わりにフライや肉料理にも適している。 |
溜醤油 | 大豆の割合が多いので旨味が凝縮されているため醤油の中でも旨味はNo,1。
そのままで使うつけ醤油や照り焼き料理に向いている。 |
醤油の製法
醤油は蒸した大豆、炒った小麦を混ぜたものに麹菌を培養し、食塩水を混ぜたもろみを発酵・熟成させていきます。
発酵が落ち着いてきたころに、ゆっくりと圧をかけ圧搾していくと醤油が出来上がる。
搾られた醤油を80~85℃の温度で10~30分加熱していきます。(火入れ)
大豆のタンパク質と小麦のデンプンが酵素や乳酸菌、酵母の働きによって分解され、
醤油の美味しさや香り、色を作りだしていきます。
醤油はこの製法を本醸造といい、この他に混合醸造と混合の2つの製法があります。
本醸造 | 基本の製法で最も多い。
原料が大豆、小麦、食塩とシンプルな醤油の多くはこの製法になる。 |
混合醸造 | 本醸造方式のもろみの段階でアミノ酸液(酵素分解調味液)を加えて発酵熟成させたもの。
九州、四国、中国地方から北陸地方の日本海側の地域で人気。 |
混合 | 本醸造方式で搾られた生醤油にアミノ酸液(酵素分解調味液)を混ぜ火入れ等の加工したビン詰めした醤油。 |
醤油の特級
JAS認定工場にてつくられた醤油に限り、濃口醤油の製法3つ(本醸造、混合醸造、混合)の中で旨味成分の量などによって特級が表記されます。
スーパーなどで「超特選」と表記された商品を見かけたことはありますか?
実はこれも特級として分類されているんです。
特級の種類は特級、上級、標準の3種類に分類されており、特級の中でも特に旨味成分が高いものには特選や超特選と表記されます。
「超特選」と表記されていると、とても良い醤油だと思いますよね。
[say img=”https://min-to.net/wp-content/uploads/2018/09/20180906-124011.png”]
文字通り特別なものとされるので、旨味が強いのが特徴の醤油に表記されますが、その分販売価格もやや高めになります。
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醤油の賞味期限
塩分濃度が高い醤油は保存が利きますが、容器や醤油の種類によって賞味期限が短いか長いか変わってきます。
賞味期限=美味しく味わえる期間なので、知っておくと便利ですよ。
容器 | 濃口・再仕込み・溜 | 淡口 | 白 |
ペットボトル | 18ヶ月 | 12ヶ月 | – |
ガラスびん | 24ヶ月 | 18ヶ月 | 8ヶ月 |
缶 | 24ヶ月 | 18ヶ月 | 8ヶ月 |
容器によって賞味期限が異なるのは、空気が容器を通す量を基準としています。
醤油が空気に触れると酸化してしまい、味や色の劣化が進みやすくなってしまいます。
開栓後は賞味期限に関わらず、1ヶ月以内に使い切るなど早めに消費すると良いですよ。
生醤油とは?
最近では生醤油(なましょうゆ)という種類のものも見かけるようになりましたね。
これは一般的な醤油は製法の最後に火入れをしますが、生醤油は火入れせず微生物をろ過して容器に充填します。
加熱処理していないため、風味がよく口当たりがあっさりしているのでお刺身や料理の香りづけに向いています。
[say img=”https://min-to.net/wp-content/uploads/2018/09/20180908-111334.png” from=”right”]淡く澄んだ褐色をした生醤油は新鮮な証拠ですよ。[/ふきだし]
「きじょうゆ」との違いは?
生醤油と書いて「なましょうゆ」と「きじょうゆ」の2種類があります。
とてもややこしいですね~。
生醤油は先ほど上記で説明した醤油になりますが、「きじょうゆ」は火入れして微生物の働きを促した後、容器に充填します。
[say img=”https://min-to.net/wp-content/uploads/2018/09/20180908-111334.png” from=”right”]余計な添加物が入っていないのが嬉しいですね。[/ふきだし]
生醤油の賞味期限は?
生醤油の賞味期限は一般的な醤油と同じで未開封であれば1年~2年保存が可能です。
しかし生醤油の場合、開封してしまうと一般的な醤油に比べて酸化しやく風味の劣化が早いという弱点があります。
近年では注ぎ口に弁がついた鮮度を保つ容器の生醤油が販売されているので、こちらを選ぶと早く使わなきゃ!と気にする必要もありませんね。
まとめ
生醤油と醤油、違いはお分かりいただけましたか?
火入れする醤油に対し、生醤油は火入れしない製法によってあっさりとした口当たりの良さが特徴の醤油になるんですね。
たくさん使うキッチンには醤油を、刺身などちょいかけしたい食卓には生醤油がオススメですよ。
「醤油の劣化がいまいちよく分からない」という方も生醤油の新鮮さを是非お試しください。
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